どうしよう…



こんな綺麗な目に見つめられたら、逸らすことが出来ない。



「戸田…さん……?」



「水樹の23歳の誕生日が来たら…結婚して欲しい」



え…?



あたしは突然のことに頭が真っ白になる。



嘘…でしょ…?



「あたしなんかで…いいの…?」



「水樹じゃなきゃありえない。俺には今もこれからも、水樹だけだよ」



そう言うと、戸田さんは箱から指輪を取り出した。



シルバーの凄く綺麗なリング。



そして、そのリングをあたしの左手の薬指にはめてくれた。



「……ック…戸田さ…」



あたしは嬉しさのあまり、涙が止まらなかった。



「水樹、愛してる。ずっと俺の傍にいてくれ」



「…ヒック……あたしも…愛してる…」



あたしは戸田さんの胸に飛び込んだ。



戸田さんも、あたしを強く抱き締め返してくれた。



「…水樹。俺にもはめてくれる?」


戸田さんは、あたしに付けてくれたのと同じ指輪を渡してきた。



あたしは戸田さんの左手を手に取ると、薬指に指輪をはめた。



「ありがとな、水樹。」



戸田さんは優しく微笑んだ。



そしてあたし達は見つめ合った後、未来に繋がる、誓いのキスを交わした――…。