嘘だ、嘘だ、嘘だ…
美姫が戸田さんのこと好きだったなんて…
信じたくない!!
しかも…
キス…してた。
戸田さんが、あたし以外の女と。
あたしは無意識のうちに屋上に出ていた。
「……っ…う…」
あたしはとめどなく流れる涙を止めることは出来なかった。
戸田さん…美姫……
なんで…?
―――ギィ…
「やっぱりここにいた」
後ろを振り向くと、そこには息を切らした戸田さんがいた。
やだ…
今話すなんてめちゃくちゃ気まずいじゃん…
あたしは戸田さんに返事もせず、屋上から出ようと戸田さんの隣をすり抜けようとした。
「待てよ、水樹!!」
ガシッと腕を掴まれ、引き止められる。
腕から伝わってくる戸田さんの熱に体が熱くなっていくのが分かる。
やめてよ…
今のあたしにかまわないで…
あたしは堪えきれず、溢れ出る涙を止めようと必死になった。
「――ごめん、不安にさせて」
戸田さんは、優しくあたしを抱き締めた。
「やっ…離して……!!」
あたしは戸田さんの胸を押し返そうとする。
なのに、それ以上の力で押さえ込まれてしまう。
こんな状況なのに、戸田さんから香る優しい香りにホッとするあたし。
どうしよう…
なおさら泣けてきた…
あたしは自然に体を戸田さんに預けていた。

