――ギィィ…



ゆっくりと扉が開いた。



あたしは中にいる人物に目を向ける。



「――…九条…」



「おやおや…これはこれは……。先ほどの美人さんではないか」



九条は不適に笑うと、あたしを見た。



「……どういうつもり?」



「……なんのことだ?」



は!?
何とぼけてんの…?



「あんた…あたしを誘拐なんかして何がしたいワケ?」



あたしは九条を鋭く睨んだ。



「……どういうつもりも何も…ただ単に君達、警察が私達を逮捕しようなんてふざけたことをするから仕返しをしたまでだよ」



九条はフッと笑うと、タバコの煙を吐き捨てた。



「我々は……今まで完璧な任務をこなしてきた。しくじったことなんか一度もないさ。だから私達は捕まらない!!決してね!!」



九条は偉そうに笑った。



「…あんたなんでしょ?倉橋瑠樹也の父親を殺したのは」



あたしが発した言葉にピクッと反応した九条。



「倉橋……瑠樹也…」



「そうだよ。覚えてないなんて言わせないよ?」



あたしは腕組みをした。
コイツ…しらばっくれる気?



「懐かしい名前だなぁ…倉橋。」



九条はタバコを灰皿に押し付けると足を組んだ。