――水樹が捕まった。



まさか、こんな失態をしてしまうなんて思いもしなかった。



すぐに追い掛けたけれど、あっという間に撒かれてしまった。



さすが香港マフィアだと思い知らされる瞬間だった。



すぐにホテルに戻り、緊急会議が行われた。



「水樹が捕まっていると思われる場所は……このホテルだ。九条が経営しているホテルらしい」



司令官は1枚の紙を出した。



「とにかく作戦を練りましょう。あちらには複数のマフィア達がいると考えられます。応援も呼んだ方が……」



桐島さんが焦り気味に話す。



「水樹……っ…無事だよね…?あたしのせいで水樹がっ…!!」



櫻井さんが顔を覆った。



「大丈夫っすよ、美姫さん!!水樹さんなら絶対にイケます!!」



ハルカが櫻井さんの背中を撫でた。



「……まず…A班が突入しましょう。B班とC班は待機。一気に攻めては撃たれて死ぬだけです。」



倉橋が冷静に話し始める。



「うむ…倉橋の言う通りだな。その作戦でいこう。まず、このホテルの内装図からだ。表から入っては怪しまれる。裏口から潜入し、中にいるマフィアを片付けるぞ。射殺許可も出ている。」



「「はい!!」」



俺は目の前で起きていることの理解が出来なかった。



水樹が捕まっている。
それは紛れもない真実……。



俺は目を閉じた。