「んじゃ行くか」



戸田さんはあたしを見た。



「うん♪行こっ!!」



あたし達はゲートを通った。



――機内。



「ねぇ水樹……」



隣に座っている美姫がヒソヒソと話し掛けてきた。



「どしたの?」



「あのさ……この機内、なんかおかしくない?」



「……おかしい?」



あたしは眉間にしわを寄せた。



美姫は真面目な顔で頷く。



「なんか……見透かされてるっていうか…もしかしたらマフィアにあたし達がやろうとしてることバレてるとか……」



「え〜?まさかぁ〜(笑)それはないでしょ!!」



「――いや…それは分かんねぇよ」


「桐島ちゃん!!」



横の列に並んだ椅子に座っている桐島ちゃんが口を開いた。



「香港のマフィアの組織力は半端じゃないからな……日本にも組織の人間は当たり前の様にいるし、この機内にも居るかどうかは分からない…」



「……まぁ…確かにそうかもね…」


あたしは腕組をする。



めっさ危ないなぁ、今回の事件……