「その辺座ってて下さい。今コーヒー淹れるんで」



「サンキュ」



戸田さんは瑠樹也にお礼を言った。



あたしと戸田さんは、目の前にあったソファに腰掛けた。



「――どうぞ」



コトッと音を立てて、コーヒーの入った2つのカップがガラス張りのテーブルに置かれた。



「……………」



無言のまま、何も言葉が出てこない空間。



「……倉橋。さっきは悪かったな。一方的に殴ったりして」



戸田さんは一言言うと、コーヒーに口を付けた。



「……いえ…俺こそ、あんなこと言ってすみませんでした」



瑠樹也はあたしに頭を下げた。



「……ねぇ瑠樹也…なんであたし達を仲間だと思えないの?あたしは……みんなのこと大事だし、仲間だと思ってる。…それに明日からの任務は……今まで以上に危険な任務なんだよ。仲間割れしたまんまじゃあ…絶対ダメだと思う」


あたしは瑠樹也を真っ直ぐに見つめた。



瑠樹也はそんなあたしから目を逸らす様に俯いた。



「……はっきり言って…俺は仲間とか嫌いなんです。ベタベタするのも好きじゃないし」



「倉橋、お前――」



「でも――…」



瑠樹也は戸田さんの声を遮る様に言葉を繋いだ。