「……だったら何ですか?」



俺はフッと笑みを浮かべた。



戸田先輩はそんな俺に驚きもせず、ただじっと見つめてくる。



「仲間?笑わせないで下さいよ。ただのくだらない助け合いの集まりでしょ?」



「倉橋……お前…」



「“そんな考えやめろよ”とでも言いたいんですか?俺は二宮先輩みたいに社交的でも何でもありませんよ?ただ“復讐”の為だけにこの仕事に着いたんですから」



「復讐……?」



「そうですよ。九条を自分の手で捕まえ、罪を償わせる……。これが俺のSAT隊員になった一番の目的ですから」



戸田先輩は険しい表情をした。



そりゃそうだよな。
こんなこと言うヤツ相手にしてりゃあさ。



「“復讐する為だけに”とは言い過ぎたかもしれませんが……九条に復讐をしたいという気持ちは変わりません。何があってもです。」



俺はクルッと向きを変えると、戸田先輩に背を向けた。



「……では失礼します」



それだけ呟くと、俺はオフィスを出た。