「……父さん、母さん…元気にしてるか?」



俺はボソリと呟くと、テレビの隣にあるチェストから2つの指輪を取り出した。



これは父さんと母さんの結婚指輪。



2人が亡くなった後、遺品として俺に渡された。



俺の両親は息子の俺から見ても仲の良い2人だったと思う。



俺のことも凄く愛してくれていた。



本当に……理想の夫婦だった。



――コト…



俺は指輪をチェストに戻した。



絶対に忘れねぇよ、2人のこと。


唯一、俺を必要としてくれた人達だったから。



俺の大事な家族だから。



俺は朝飯にウイダーinゼリーを飲み、歯を磨き、顔を洗った。



そしてクローゼットからスーツを取り出し着ると鞄掴み取り、部屋を出た。