「どーすんですかっ!?マズイっすよね!?これ以上、奴等を野放しにしたらこっちも大変すよね!?」
みんながザワザワと騒ぎ始める。
「――そこでだ。逃げられたならこちらもこちらで手段を取るしかしかない。という訳で我々から香港のマフィアに乗り込めと本部から命令が出た」
「はぁ!?マフィアに乗り込む!?何言ってんの!?そんなん無理に決まってんじゃん!!」
あたしは思わず大声を出してしまった。
「落ち着け、水樹。これから説明をするから――」
「説明もクソもないでしょ!?あたしらは殺し屋じゃないんだよ!!もし失敗したら隊員全員の命が危ないんだよ!?」
オフィス内がシーンと静まり返る。あたしは舌打ちをすると、司令官に背を向けた。
「確かに……水樹さんの言うことも一理ありますよね…」
ハルカが静かに口を開いた。
「まぁ……香港のマフィアだからな…今まで俺達が相手にしてきた奴等なんか比べ物にならないくらい強いだろうな」
桐島ちゃんが難しい顔をした。
「でも…本部からの命令でしょ?避けられないことよ……」
美姫は心配そうな口調だ。
「……どんなにわめこうと命令は命令だ。やるしかない」
司令官は冷静に言った。
「そんな……」
「じゃあやりましょうよ、皆さん」
その言葉にみんなが振り向いた。