パズル



ウィルが帰ってから
なんだかしんみりした空気が流れる


「…はぁー…」


「どうしたエリシャ?
……やっぱり嫌だったんじゃ」


「うーん…私、ジャックほどこの家に
居ないじゃない?
だけど…ずっと昔からいるような感じがして

たぶん…私が暮らした1日1日の
密度が濃かったんだと思うけど


その分…名残惜しいの」



「…そうか…そうだなわたしもだ…
エリシャが居ない時期でも研究にずっと打ち込んで
それは濃い1日を過ごしていたな


エリシャがいる時はもっとだ
暇な日なんて無かった…
わたしが辛い現実から逃げたことから
始まって…今がある」



「……私、この家で目覚めた時
そのときにもうジャックに惚れてたわ

でもね、直感かしら?
ジャックのぐちゃぐちゃな
机の片隅に写真が伏せてあって妙に
気になったの…」



「はっはっそれは凄いな
わたしは内心ズタズタだったな…
罪悪感に潰されそうだった
エリシャの笑顔を見る度に…


でも今、こんなに幸せな時間を過ごしている
なんて考えもしなかったよ」



「次はニューヨークね
どんな所かしら?

……そう言えば……
私が知る人でこの村に
残るのって、アレックスだけね」



「そうだな…でも彼も
大人だ、仕事を探しているか
もう決まっているか…だな

取り残される訳じゃないさ」



「…そうね…でも言っちゃ悪いけど
あの性格で人の下で働けるのかしら?

私思うの!彼は憎たらしいわ!!」



「ぷっ!!何をそんなに
ムキになってるんだエリシャ
あはははっ!!」



「そっ…そんなに笑うことじゃないわ!!
私はジャックを酷く言う人が嫌いなの!」



「…でもホントはそこまで彼を嫌っていないだろ?」



「うっ…ぅん…心底嫌いではないわ」


「分かりやすいなエリシャ

大丈夫さ、彼はあぁ見えて
凄く賢いんだよ
憎たらしいところも
彼の魅力になるよ………そのうち」



「ふぅん…ジャックは
考えることが大人ね」


でも小さい声で`そのうち'って言った…