ジャックは私をゆっくりと
引き離し…服の袖口で涙を拭ってくれた
「エリシャ…帰りますか?」
「……ううん…」
「良いんですか…?」
「…うん…トムのところに行く」
「わたしも行きますよ
と、その前にどうぞ」
そう言って私に帽子を渡した
今着ている服によく合う
素敵な帽子だった
「…これで顔は隠せるでしょう
……ってわたしが言えな」
「ジャック!その事はもう良いの……
帽子ありがとう…似合う?」
帽子を被って見せた
「………あぁ似合うよ」
ジャックはやっぱり
心の底からスッキリしてないんだ
私はもういいのに…
でも仕方ないのかな
今からトムに会いにいくんだから…
今日トムに会うことで
ジャックとトムの心の蟠りを
取り除くことが出来たら良いのに…
私に出来るかな…?



