でも誰かにトムの居場所を聞かなきゃ
分からないわ…
勇気を出して…1人の女性に聞いてみる
「あの…この辺りでトムと言う
青年の居場所知りませんか?」
その女性は私を見下した顔で見てくる
「……名乗りもしないで
この村の奴じゃないんでしょ!?
気味が悪いねっ!!
他あたってちょうだい!!」
と…大きな声で言った
そのせいで周りにいた村人たちまで便乗し
笑いを含みながら私を
皮肉と哀れと化物のような目で見た…
「…す、すいませんでした」
仕方なく他の村人に聞こうとした
だけど………
私が近づけば遠ざかる
ふと気がつくと村の広場には
誰も居なくなっていた…
1人…広場に立ち尽くし
何故か…涙が出て…
初めて…他人の醜さを知った



