「エリシャ!そんなところにいたのか」
「ジャック…」
「なかなか来ないから心配し…」
ジャックは悲惨につけられたペンキを見てため息をついた
そしてさっき私が見つけた言葉にも気がついたみたい
そっと`だてんし'と書かれた文字に触れて
「………堕天使か」
「あの…だてんしって?」
「ん?あぁそれはね、もとは天使だったが神に反して悪魔となったものたちのことを言うんだ」
「じゃあ何故ジャックの家の壁に書かれなきゃいけないの?」
「……間違っていないからだよ」
「違う!ジャックは悪魔なんかじゃない」
「いや…わたしは悪魔さ」
悲しい瞳になったジャック
「…エリシャ…今日の掃除はなしだ」
「ジャック…聞いてるの?あなたは悪魔なんかじゃない」
「エリシャは優しいねでも…今は取りあえずこのペンキを落とさないと…ね?」
「……………はい」
酷いジャック私にはやっぱり何も教えてくれない
でももっと酷いのは
あの若い男たちだ



