「―ッざけんじゃねぇ! 刀を取れ、そして抜けッ!」
胸にズシッとのし掛かる。
土方は何度も何度も山南に刀を持つように言うが、山南は首を振り続けた。
「む…りなんだッ。 私は…」
「無理じゃねぇッ! あんたは、唯逃げてるだけだッ」
額をおさえている手がカタカタと震え出す。
「逃げるな。 あんたは、まだやれる」
「この先の新撰組のやり方に、刀すら扱えない私はいる意味がないッ」
「だから、扱えるようになれ! 過去に立ち止まったままでいるな、自力でそこから歩き出さねぇか!」
「…ッッ」
無理矢理に刀を握らされた山南、顔はみるみるうちに青ざめていった。
ニゲルナ
アルキダセ
「新撰組に、なまくら刀は必要ねぇんだよ」
ジャマモノハケサレル
「……ッッッ」
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