駆け抜けた少女ー二幕ー【完】


「―ッざけんじゃねぇ! 刀を取れ、そして抜けッ!」


胸にズシッとのし掛かる。

土方は何度も何度も山南に刀を持つように言うが、山南は首を振り続けた。


「む…りなんだッ。 私は…」

「無理じゃねぇッ! あんたは、唯逃げてるだけだッ」


額をおさえている手がカタカタと震え出す。


「逃げるな。 あんたは、まだやれる」

「この先の新撰組のやり方に、刀すら扱えない私はいる意味がないッ」

「だから、扱えるようになれ! 過去に立ち止まったままでいるな、自力でそこから歩き出さねぇか!」

「…ッッ」



無理矢理に刀を握らされた山南、顔はみるみるうちに青ざめていった。



ニゲルナ

アルキダセ




「新撰組に、なまくら刀は必要ねぇんだよ」





ジャマモノハケサレル




「……ッッッ」




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