「私がなんですって?」


開けっ放しの戸からヒョコっと顔を覗かせたのは、噂の渦中に立たされた沖田。

楽しそうな会話を耳にして、部屋へと遊びに来た沖田は 「さむさむ」と腕を摩りながら火鉢に駆け寄った。



「沖田さん、そんな薄着じゃ駄目ですよ!」

「えー、ちゃんと着てますよ? あ、じゃあこの間のように矢央さんに温めてもらいましょうかね〜」


着流しに羽織一枚の沖田を怒ると、矢央に向かって両手を広げてにこっと微笑む沖田。

この間とは、矢央の抱き付き癖が激しかった時の一件である。


「総司ッッ! つか、ほらこれと僕の何が違うのさ!?」


矢央に抱きつく沖田の襟首を掴み、皆に抗議する藤堂。



「だから、私がなんなんですか〜」

「つぅか、離れろッッ!」


同じ歳の二人を見つめ、残りのメンバー達は密かに思う。



そうやってからかわれてんのが分からないとこが、お前の方が餓鬼っぽいことを証明してるんだと。



「離れろよおぉぉぉっ!!」

「あはははは!」


.