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「ねえねえ矢央さん、ちょっと相談なんですが」
「なんですか?」
改まってどうしてのだろう。
洗濯物を畳んでいる矢央の傍に座り、手を口元に当て内緒話しするようにコソコソと話しだした。
「ーーーえ?近藤さんが喜ぶようなもの、ですか?」
コクコクと頷く沖田を見て、矢央は言う。
「沖田さんの方が近藤さんと付き合い長いじゃないですか」
「それはそうなんですけどねえ」
「どうして急に?」
「うーん、ほら最近近藤さん忙しいじゃないですか。屯所に戻ったと思ったら、直ぐに何処かへ行ってしまうし…」
仕事が忙しい近藤は、たまに帰って来ては妾宅にも通うので殆ど屯所にいない状態が続いていて、沖田はそれが面白くない。
疲れているなら、屯所でゆっくりと休めば良いのにそれすらしない。
つまり沖田は寂しかった。
「構ってもらえねえからって拗ねてんじゃねえよ」
柱に持たれ沖田を見下ろした土方。
いつの間にそこにいたのか。
「拗ねてませんよー」
「拗ねてんだろ。巡察も稽古もサボって、こんなところで油売ってる場合か」
「あーはいはいはい!行きますよ!もう、すっさいなあ」
「こらっ総司っ、まだ話しは…って逃げたな」
土方の横をヒラリと通り抜け、さっさっと駆け抜けて行ってしまった沖田。
一体何をしにきたんだ。