ゆっくりと瞼を開けて、見慣れた天井を見つめ今日も生きていることを確認する。

喉の奥が焼けるように熱く、押し上げてくる感覚。


「ゴホッゴホッ…ぐっがはっ!!」


掌に収まりきらない赤、赤、赤。


ツツッと額から顎にかけて冷や汗が流れ落ちる度に、自分の命が削られていくようだ。



咳が治まり、雪崩れ込むように布団に倒れ込む。


そろそろ矢央がやってくるだろう。


その前にこの血をどうにかしないと……と思うのにもう身体はいうことを聞いてはくれない。



「…近藤さん、会いたい…なあ…」



サラッと風が髪を撫でたような気がした。


まだ矢央が来てないから戸は閉まってるのに何故?気のせいか。



「ああ、そっか…。そういうことですか…」



沖田の閉じられたら目尻から一筋の涙が頬を伝って落ちた。