「……好き、か。どうなんだろうな」

「………」

「気にはなってんだよ。あいつには無理をさせてきたからな、これからは幸せになってほしいと思っているが…」

「そうかいそうかい。本当にあんたは喰えない男だな」

「永倉?」



いきなり声を荒げて背中を向けた永倉。


もう話はねえだろ。と歩き去って行くが、途中でピタリと止まる。





「土方さん、楽しかったぜ」

「……ああ、俺もだ」

「じゃあな」

「ああ」




これが土方と永倉が交わした最後の言葉となる。


そしてこの日、新選組古参である永倉新八、原田左之助は新選組を離脱した。



これからというときに新選組に多大なダメージを与えたことだろう。


だが互いに想うことは一つ。


誠の心を貫き通す。


新選組の誠を背負い、彼等はこれからも場所は違えど共に歩めなくても戦うことを決めたのだった。