近藤は無事に土方達と合流を果たし、甲陽鎮撫隊は約三百の大所帯となり先へと進んだ。
が、途中で隊士達の士気を高めるためにと寄り道が長引いたのがいけなかったのか、宴会の時永倉達が心配していた通りのことが起こってしまう。
板垣率いる新政府軍が甲府城に先に到着し、僅か数十名しかいなかった甲府城の兵では対抗すら出来ずに、開城させ入城してしまったのだ。
板垣は甲陽鎮撫隊が攻めてくるのを知り、これを迎え撃つため兵を出した。
甲陽鎮撫隊は甲府城がすでに落ちてしまったことを知り、勝沼村の柏尾山の麓に布陣することになる。
そして両軍は甲州勝沼の地で戦うこととなった。
しかしここでも誤算があった。
元々の新選組隊士は約七十名程で、あとの兵はその後幕府が雇った兵と日野で近藤が集めた志願兵。
彼等を統一する時間もなければ、武器の扱い方を教える余裕すらなかったので、まとまりのない軍のまま戦になってしまった。
そんな状態では敵を前にした隊士達が怖じ気づくのも無理なかったのかもしれない。
三百いた隊士達は恐れをなし次々と逃げ、半数以下に減ってしまった。
そして此処で土方は援軍を呼ぶため一人江戸へと戻ることになり、近藤が指揮を取ることになったのだが、結果的にこの戦は負けることとなる。
半日にもならない戦で負け、鎮撫隊は八王子へと退却した。
途中で土方と合流を果たしたが、土方は援軍を連れてくることは叶わなかった。
土方のいない間、まともな戦で初めて指揮を取った近藤だったが不戦した上、此処でも隊士を失い心此処に有らず状態である。
「近藤さん、俺達はまだまだこれからだ。まだくたばるんじゃねえよ」
「歳…。そうだな、うむ。そうだぞ、我々はまだこれからだ!」
近藤を奮い立たせる土方。
甲府城は新政府軍の占領下となったが、敗れた鎮撫隊は挫けることなく新たな戦へと向かうべく、また新たに隊士を集めることから始めた。
そして体勢を立て直した後、流山に本陣を置くのだが、その少し前にある衝撃が近藤達に訪れたのだ。



