鳥の囀りで心地良い目覚めだった。

今も何処かで戦をやっているなんて思えないくらいに穏やかに時間が流れていた午前中も過ぎ、隊士達が数人に別れて姿を消す不可思議なことに矢央は首を傾げていた。


そしてとうとう永倉や原田、斉藤までも呼ばれ部屋を出て行こうとするので思わず呼び止めてしまった。



「どうした?」

「あ、あの皆さん一体何処へ行ってるんですか?」

「…ああ、それは」

「永倉さん後がつかえているのだ、急いだ方が良い」



答えようとした永倉を斉藤が急かしたため結局真相は分からずじまい。


はて?本当に何が起こっているのか。









暫くして部屋の戸が静かに開けられる。

そして入ってきた人達を見て、矢央は驚き瞳を輝かせた。



「な、なんですか!?その髪、それに服も!?」



永倉達は長かった髪をバッサリ切り、着物から洋装へと変わっていた。

首が寒いように感じるのか、指を指される永倉は終始首の後ろをさすっている。



「ジロジロ見るな、指も指すな。ああ、なんか慣れねえな」

「洋服ってやつは、あれだな窮屈だな」

「……刀を差す場所がない」



それぞれに感想を述べているところに土方が最後に部屋に入ってきた。


この中で一番髪が長かった土方の黒髪は、襟足が肩にかかるくらいまで切られていて少し若返ったように映る。