少しでも彼等と長くいられるように、少しでも彼等の負担が減るように。


稽古をして強くなれるなら、いくらでも耐えてやろうと思った。


「……はあ」


なのに、永倉は大きな溜息をつき空を見上げてしまう。


唖然とその様を見詰める、予想外の反応に戸惑う。


「ふふ。 永倉さん、裏目に出てしまいましたね?」


裏目?

何が可笑しいのか、くくっと喉を鳴らす沖田と、やれやれと頭を振る山崎を、訳が分からない原田と矢央は見て首を傾げている。


「なーんで、あんだけやられて、やる気出しちまうかね?」

「はへ?」

「永倉さん、これはしっかり応えてあげるしかないようですね? なんだったら、私が稽古つけて」

「だあああっ、お前ぇは絶対すんな!」


沖田が稽古をするなど以ての外だ。

永倉が相手をする以上に、矢央の怪我が増えるのは目に見えているからだ。