いつも心に傷を追うのは、決まって矢央だ。


自分達は自身でこの環境にいるから傷を負っても自分が招いたことになるが、矢央はいつだって巻き込まれている。


「こいつを此処に縛っているのも俺達だが、こいつを傷付けてるのも間違いなく俺達なんだよな」


なのにいつだって守ってやれない。


いつも自分で乗り越えていく。


「矢央さんは弱くて見えて誰よりも強いですよ。 いつも私達のことを一番に想ってくれている。 だから甘えてしまうんですかね」


自嘲気味に笑う沖田に同調する永倉。


甘えさせているつもりが、実は甘えていたのかもしれないと。



「ねえ永倉さん」

「なんだ?」


沖田を見ると、いつになく真剣な表情だ。














「貴方は、矢央さんを好きなんでしょう?」