「心配は無用だ。 お前には、仲間がいる」


斎藤は物静かで言葉数は少ない。

が、彼の一言はいつもストレートで胸にくる。

ほわりと胸が暖まり、矢央はふっと微笑んだ。


「仲間…か。 そう言ってもらえるくらい、長い時間この時代にいるんですね」


あまり深く考えないようにしていたが、改めて思えば既に四年目の夏を終えようとしている。

喧嘩をしては仲直りして、互いに互いを知っていった。


「私は、大人になれていますかね?」

「…………」

「いや、なんか言って下さいよ」


無言に突っ込むのも慣れた。

ゆっくり考える斎藤だと知っていながらも、突っ込むことは止められない。


「なにか思うことがあるのか?」

だから眠れず、部屋を出たのだな。

と、心の中で思う。

ふぅ、と大きく息を吐き出しながら、ひんやりと心地良い壁に背中をくっつける。


満点の星空は、相変わらず素晴らしい。


「四年って長いですよね。
その間に、私的には何も変わってないと思ってました」


しかし、沖田は言った。
自分たちも変わっていくと――。


.