あの出来事は、もしかしたら夢だったのかもしれない。 そう思い込みたいほど、長いようで短い彼らとの暮らしは色濃く彼女の胸に残る。 幸せだった? 辛かった? 誰かに、そう聞かれたら、彼女は今なんて答えるだろうか。 新撰組と誠の道を歩んだ一人の少女は、大人へと成長し少しずつ過去を振り返ろうと ある大木の下に立つ。 見上げた大木は、何かを語りかけるかのようにそよそよと風に揺れていた。 「みんな…私帰ってきたよ」 彼女は静かに瞼を綴じた――― .