「さっきのあれ誰?」






「船長よ。赤い髪の…。」





「派手なやつだね。」





「きらきらしたのが好きらしいわね。」





相変わらずニコニコしている。
「ジャスミンはなんでこんなところにいるの?」




小首を傾げ…。
「うーん。拾われた?えっとなんて言うのかしら…。拉致?監禁?」





なんかヤバイよね?!





「でも前よりはずっと…。」





「前?」





船が揺れた。




「エルダー…。不思議な香りがする。」





ほんわり言われたら赤くなる。



「ジャスミンの方がいい香りがするよ。」





「ありがとう。誰かがいると楽しいわ。」





「ごめんね。私には仲間がいるから…。ここから出ないと、とにかく一緒に逃げよう!」





この鳥籠から出ないと…。
魔法薬も武器もない。





「出たい?」





「えっ?」




長い髪の毛から白いリスが出てきた。
肩で遊んでいる。





「お願いね。」




白いリスは檻を抜けて窓からいなくなり…。暫くすると小さな鍵を持って来た。





檻の鍵を開ける…。





「行こう!」




迷っていた…。
「ジャスミン!」




「約束が…。」




船が揺れた。それに大きな爆発。





「ここにいたら危ない…。」





手を引いて出口を目指す。壁にかかった剣を拝借し走り出す。