切り立つ崖っぷちを紅い影が通り過ぎる。

「ヒューレ!あそこまで行って!」

崖下は荒れ狂うラベンサ川…。

指差した先に青い花。魔法薬の基礎に使われる。
颯爽と摘み取り飛び去る。もうすぐ夕暮れ、早くしないと猛獣バタルが現れる。


川を越えて、崖の入口に人影…。

「セージ!どうしたの?」

アナから降りて
籠を見せる。

「じいさんがこれくらい採ってこいと…。おまえも行けッ!てさ。」

ヒューレから降りて青い束を見させる。

籠に詰め込み帰り道…。

フードをかぶって歩く人。紫の犬を連れている。
「なんか怖い。」

アナに二人で乗っていた。夕暮れ…。日が落ちる。

バタバタと音がする。

「なぁ…。なんかマズイ気がする。」

「あたしも…。そう思う!」

叫ぶと同時に護身用の短剣を振りかざす。

ビュッと風を切る音とドサッと黒い小さな獣が落ちる。

「アナ!地面に潜れ!」
素早くアナは地面に隠れて防御し、長い爪でバタルを切り落とす。

「きりがない!」

大群で来るバタルはまるで黒い竜のように向かって来る。獲物は最後血を抜かれ、骨になるまで…。

ヒューレとアナのコンビは撃退して行くが数が多すぎて…。体力がいつまで持つか…。

「セージ!調合した魔法薬なんかある?!」

小瓶が放り投げられる。
「こんなんしかない!」
汗だくで叫ぶ。緑の小瓶の中身を投げ、ヒューレと自分にかかるように魔方陣を描く!

緑の光が強力な炎と化し、バタルを焼きつくす!
「やった!」