外に出ると煙と魔法薬のにおいがいりまじって、頭が痛い。


静かなマンネロウは…。戦場のようだった。

真ん中にじいさんがダンと走り回っている。


ヒューレが変化し、飛躍すると矢を黒い竜…。バタルの群れに浴びせる!

セージは家に防御張りつつ、獲物を狙ってくるバタルにアナと盾になり切り落とす。

伊達にじいさんに鍛えられただけに無駄がない。

タイムは走り回って相棒と炎のムチで撃退していく。


女の子が牛舎の横に見えた。

旋回しヒューレから降りていく…。
「マリー!」

「エルダー…。」

恐怖で声が出ないらしい。早く魔法壁の中に…。

そう思った瞬間、黒い竜はにおいを嗅ぎ付け突進してきた。

ヒューレが応戦したが撃ち落とせず数万が来る!
マリーを抱き殺られる!と思ってたらもう一つの黒い竜がバタルを倒した。

竜?何この獣?誰の…。

「怪我はないか?」

後ろで声がした。真っ黒なマントに真っ黒な目で…。

「あなたは…。」

「説明は後だ。」


じいさんが走って来る…。鬼の形相で!

「エルダー!」

頭を抱えて防御する。鉄拳を覚悟した。

「お前…。」

ゆっくりとマントの男は頭を下げた。


そのまま固まる二人に叫ぶ
「バタルが来る!!」

マリーを抱えて家に飛び込んだ。

二人はすんでで交わし、黒い渦が上空を包み込む。

「村ごと全滅させるきか…。」


セージとアナの防御が破られる。


「セージ!」

叫ぶと外に飛び出し、赤い瓶を開けた…。赤い大瓶は高度な魔法薬が入っている間違うと命がない。


ヒューレの上に投げると紅い鳥は益々赤く輝いた。伝説の炎鳥のように…。

「あぁぁ!」

魔法薬の重圧に負けそうになるが体の中は熱く、心は踊っていた。香りは神々しく体に纏う。


炎の柱は黒い竜を全て焼きつくした。


セージの顔が見えた。安心したら意識が飛んだ。最後に見たのは叫ぶセージ…。それに…黒い瞳。