「笑ってるし。 オトコは狼って、うちの母さんの口癖なんだ。 姉ちゃん二人によく言ってる。 俺も最近までは狼の自覚なかったよ…。 広香を、好きになるまで」 広香の胸に、光が満ちる。 矢楚が初めてくれた、好きだという言葉。 甘い喜びが、広香の胸をいっぱいにした。 「俺が暴走しないように、ブレないように。 広香が力を与えて。 月の努力、よろしくね」 「月の努力」 美しい響きだった。