「でも、矢楚が故障して辛いときに、私は何もしてあげられないんだね。 こうして二人でゆっくり話すことも、難しいんだから」 広香の顔にあらわれる、悲しみの表情。 その透明な美しさに矢楚は見惚れた。 気にしないで。 柊太やクラスの奴らがいたって、 広香と一緒にいられるだけで、十分。元気になれるよ。 そう言えたらどんなにいいだろう。 でもそんなの嘘だ。 友達では満足できない。 苦しくて、もう、耐えられそうにない。