自分の話にじっと耳を傾けてくれる広香を、矢楚はそっと見つめた。 広香の頬を美しく照らして、夕日が広場をオレンジ色に染めていく。 こんな真面目な話をしていても、 矢楚はその頬に触れたいという欲求が湧いて、胸が苦しくなった。 触れたい、抱きしめたい、その思いの強さは、愛情に比例してるのだろうか。 それとも、オレの中を駆け巡る広香への感情は、単なる性欲なんだろうか。 だとしたら、最悪だ。