光の子





修業十年未満の陶工が対象の新人賞と、

二十年未満の陶工のための奨励賞の受賞作二点が、舞台近くに展示され、


会場を取り囲むように、壁ぎわに入選作品が十点ほど並んでいた。



師を先頭に入選作品をぐるりと見ながら、


最後に広香の魚文絵皿の前に立った。



「青、きれいに出てるね〜、宝石みたいだよ」



響子が広香に肩をぶつけてそう言った。



ありがとうございます、と広香は、はにかんだ。



「オヤジ殿。鼻が高いでしょう」



響子の言葉には答えず、大山はいつもとかわらぬ厳し眼差しを広香に向けた。



「青は、もういいだろう。赤に入りなさい」



広香の体に電流が走った。


「先生……」


それ以上、広香は言葉にならなかった。

師匠はにこりともしていなかったが、鋭い眼光が僅かに和らいでいるようにも見えた。



「青が見事ならば、一本立ちできる。

お前はうちに残っても、響子と行ってもいい。

五年経ったら、赤の出来を見てやる」



それだけ言って、師匠は足をロビーへ向けてしまった。



「お〜、照れちゃって〜」

と、響子がその背中に言った。


広香は、ただただ、師の後ろ姿に深々と頭を下げた。