しかし。
今夜の響子の話は、広香に女の人生というものを考えさせた。
広香はずっと響子にあこがれていた。
慕ってくる広香をかわいくおもえばこそ、
響子は、メキシコに連れていく気にも、自身の人生を赤裸々に話す気にもなったのだろう。
恋人は、ライバルじゃない。同じ明日を生きる人だよ。
子どもを産み育てるのもいいもんなんだろうね。
響子の言葉が、心にこだまし、波紋を広げる。
それは、
恋人の呼びかけすら頑なにしりぞける広香に、
揺さぶるのとは違う、
まるで解き放つような感覚をもたらした。
久しぶりのショートがふわりと、窓からの風を抱き込む。
柔らかでどこか心地よい変化が、たしかに訪れていた。


