響子は、ビニールを取り出し、それに空き缶を入れだした。
広香は、菜摘が置いていった空き缶をそこに入れた。
「世界のどこに行ったって、できる仕事なんだ、有難いねぇ。
オヤジ殿のように、この国の伝統を守るのもいいけどね。
私は、ここを飛び出したかったし、間違ってなかったと思う。
さて、あんたは、どうしたい、広香。
私についてくるのかい?
もう、一人でしのげる力がついてる気がするけどね」
はぁ、飲み過ぎた〜と、響子は立ち上がった。
「んじゃ、明日。
あんたの皿、見るの楽しみだわ」
「授賞式に来てくださるんですか?」
「師匠のお供」
クーラーボックスを手に、響子は母屋へ歩きだす。
振り返らず、ひらひらと、手を振ってみせた。


