「いつから付き合ってる?」
「六年前から、です」
「長いな。
え、ちょっと待った。
一人前になるまで会えないっつってたけど、
まさか、六年会ってないわけ、ないよね?」
広香は、曖昧に笑った。
それで答えは明確だ。
「信じられない……そんで向こうから葉書は届き続けてると。
ひょえ〜、おばちゃん、たまげたわ」
両手でうなじから髪をかきあげて、そのまま後頭部におく。
響子は驚き方もセクシーだ。
こんなおばちゃんいるだろうか。
外国で暮らすとその文化に染まっていく。
広香の愛する人はどうだろう。
インタビューに答えるのをテレビで観ることも、たまにあった。
すっかりイタリア男だ、などと感じたことはないけれど。


