いつも黙って広香を見守ってくれている木綿子が、ここまで言うのは初めてだった。
卒業すれば、広香を傍で見ていることはできないから。
最後と決めて木綿子は踏み込んできたのだろう。
広香は、木綿子の自分への気持ちもまた、愛と呼べる深いものだと思った。
「気持ち良かった。ありがと、木綿子」
「もういいの?」
これ以上させたら、今度は木綿子がくたくたになる。
広香は起き上がった。
「体が軽い」
「今日は移動ばっかりで、座る時間長かったから、凝ってしまったんだよ。
広香もストレッチ覚えたほうがいいね」
そういえば、広香以外の三人は、移動の合間によくストレッチをしていた。
「そうだね、教えて」
しかし木綿子は、広香の隣に腰掛けて言った。
「あとでね。
話がまだ終わってないでしょ」


