「まだ一日三キロくらいだけど。それでもやっとなんだ、私」
「走りは、慣れだよ。続けてれば、体に馴染んで、距離は延びていく。
それにつれて体力もつくから。心配ないよ」
矢楚の言葉にほっとしていると、知也が言った。
「食ったら、買い物行こうぜ」
何を買うの?と木綿子が聞いた。
「まずは、この旅のユニフォームを買いに行くぞ。
色違いでパーカーを買う」
「あと、ビーチサンダルもね」
「金は心配ないよ、矢楚が出すから」
広香は驚いて言った。
「そんな」
「あ、大丈夫、儲かってるから」
と、知也がにやりと言った。
「矢楚って、お金持ちなの?」
木綿子が素直に尋ねた。


