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矢楚は迷うことなく、海辺にある公園に車を運んだ。
昨日、知也と下見しておいたという。
駐車場の生垣には原色のハイビスカス。
車を降りると強い潮風が迎えてくれた。
冬にも枯れない緑の芝がこんもりとした丘に広がり、
その下には小さな白い砂浜と、遥か先まで空より青い海が続いていた。
「冬なのに、カラフルだね」
広香が思わず漏らした言葉に、木綿子が、だね〜、と反応した。
木綿子の淡いグレーのニットも広香の紺のタートルも、沖縄の陽射しと景色にまるで合っていない。
「あれ?矢楚でかくなった?知也とあんま変わんないね」
荷物を持って先を歩く知也と矢楚の背中を見て、木綿子がつぶやいた。
きっと知也だって変化しているのだろうけど、いつも近くにいるから気付けない。
二年以上会わなかった矢楚の変貌は、広香をそわそわさせる。


