当初の計画は、二月の受験休みに、レンタカーで箱根に行き、温泉に二泊くらいするという、気軽で安い旅行だった。
それが、知也が矢楚にも旅行の声をかけたことで、計画は様変わりした。
矢楚は、シーズンオフの一月中なら参加できるといい、
旅行の費用は全部自分が持つから、中学の時に行けなかった沖縄に行かないか、と持ちかけた。
知也も木綿子も大いに乗って、計画はあっという間に進んだ。
広香だけは、二年以上会っていなかった矢楚との再会に、
胸が苦しくなるような、それでいて待ち遠しいような、複雑な気持ちになった。
そんな思いは日に日に膨れて、破裂しそうになりながら、
とうとう、沖縄に着陸するこの瞬間を迎えたのだった。


