木綿子は、げんなりした顔で言った。
「ユニフォーム着ると、売り上げに格段の差が出るのよ。
二日間、知也みたいなエロ男(だん)が引っきりなしにご来店だよ。
もちろん、知也も来たけどね。
あいつのは、タコじゃなくって全部らっきょう入れてやった」
「らっきょう?」
「うちらが売ったのはただのたこ焼じゃないのよ。
ロシアンたこ焼、っていうネーミングで、八個入りのたこ焼のうち、一個だけらっきょうを入れていたのね」
「それを、知也にだけオールらっきょう?」
「あいつが食べるとばかり思ったもんだから。
バスケ部の先輩のパシリだとは思わなかったのよ」
「そ、れは……。
シバかれたろうね、先輩に」
額に手を当て、木綿子は顔をしかめた。
「言わないで。さすがに後悔してるんだから」
広香が吹き出した。
「知也だから、大丈夫」
木綿子も、いいよね、知也だしと笑う。
「ヒドイね、二人とも」
矢楚もそう言いつつ、笑ってしまった。


