…………………………… 父の葬儀は密葬としたが、それでも親族や父の友人からの弔問はあった。 有り難くもあり、煩わしくもあった。 矢楚たち遺族はそれぞれの感情を凍結させ、法事に専心した。 しめやかな葬儀や法事の裏では、誰かが奮闘しなくてはならず、 それはやはり沙与が引き受けた。 母は憔悴し、美鈴は消え入りそうになりながら、 それでも藤川家は初七日をなんとか終えた。