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十キロほど走って家に帰る。
時計をもっていなくても、体で時間はわかる、家を出で四十分は経っていないはずだ。
家の前でストレッチをしてから、玄関の扉を開けた。
暑苦しく淀んだ玄関の空気。
母と沙与の靴が脱いだままの格好であった。
いつもはきれいに並べる二人だ。
二人のほうが早かったか。
廊下をリビングへ向かっていくと、嗚咽が漏れ聞こえた。
ドアを開けると、ソファーに母と美鈴が寄り添って座っていた。
泣いていたのはこの二人だった。
とくに美鈴は気持ちが高まっている。
父のことを今聞いたばかりという感じだった。


