午後にも、葬儀屋は打合せのために担当を寄越すといった。
電話を切って時計をみる。
警察の連絡から、一時間弱が経っていた。
早急にやらねばならないことは、粗方やった。
そう思ったら張り詰めていたものがゆるんだ。
次は美鈴だ。
あと、寛治さんにも電話しなきゃ。
Jリーグの公式戦にデビューした矢楚は、
エージェントの桑原寛治に渉外を担当してもらっている。
二人にも早く。
そう思いながらも、急に何もかも投げ出してしまいたくなった。
少しだけ、横になろう。
ソファーに横たわり、目のうえに腕を置く。
追いやっていた罪悪感が、天井から降りてきて矢楚に被いかぶさった。
父さん……。
オレのせいだね。


