足を大きく広げて、少し前のめりに座っていた知也は、
そう聞かれて、ゆっくり背もたれに身体をあずけた。
鼻から、息を吐く。
「知らないよ、残念だけど。二人が聞きたいことは、ほとんど。
あいつが、柴本と付き合うって言い出した日。
オレもさすがに頭にきて、訳わかんねーことすんなら、全部話してからにしろって問い詰めたんだ。
好きでもない女と付き合うなんて、広香を忘れるためなのか、ってさ。
そしたら矢楚は、
『違うよ。
柴本がオレのことを、たぶん、好きみたいなんだけどさ。
そのせいで、色々、具合の悪いことがあって。
もう、ぐちゃぐちゃしすぎてるから。
シンプルにね、付き合うことにした』
って言ったんだ」
「意味が」
木綿子がつぶやいた。


