「まだ、あるよ。たぶん驚かすこと」 矢楚は箸を休めずに続けた。同時に色々やるほうが気が紛れる。 広香の気配を探ろうとする自分の意識をバラバラに引き裂くのだ。 食べて、話して、親友を驚かせて。 さらに、 次に自分が打ち明けることは、知也を怒らせるだろう。 「柴本亜希と、付き合う」 「…は!?」 知也の大声に、近くに座る二年の男子が睨んだ。 「何言ってんの。なんで、そんなことすんの?」 「なんでかは、言えないんだけどさ」 知也は箸を叩きつけるようにテーブルに置いた。