「はい、カツ丼。350円だって、安すぎ。これ、釣りね」 「さんきゅ」 知也は向かいのイスを引いて腰掛けながら、言った。 「お前、視力良すぎ」 広香を避けたことを言っている。 「サッカー選手の基本要件だよ」 割り箸を割って、 いただきます、と言った矢楚を、 知也はちらりと見ただけでカツ丼を食べはじめた。 「オレさ、明後日から三週間くらい、学校休む。 ブィットリアに呼ばれてるんだ」