「私、自分をハンマーで叩き潰したくなる時がある」
予期していなかった強い表現に、矢楚は絶句した。
「衝動的に、そう思っちゃうの。
矢楚の傍にいると、私はすごく、くすんでるの。
そんな自分が、たまらなく嫌で。
心の中で、そんな自分をハンマーで叩き潰した、何度も。
矢楚にふさわしい自分になりたくて。
胸張りたくて、私なりに頑張ったけど」
「広香は、受験だって勝ち取ったじゃないか」
「特進の合格なんて、何の意味もなかった。
思ったの。
矢楚にふさわしくなりたいってどんなに頑張ったって、そこに満足はないの。
私は、私として、私の人生を生きなきゃ、だめなんだね、きっと」
そこまで言って、また広香は涙に声をつまらせた。
「矢楚の歩んでいく道ね、私は、一緒には行けない」


