矢楚の真心のこもった言葉の一つ一つが、広香の胸を切り裂く。
涙があふれ、すぐに嗚咽が漏れだす。
胸に収まりきれない哀しみが口から飛び出してくるみたいだった。
なにか話そうとするたびに、言葉が嗚咽にかき消された。
矢楚は黙って広香の背中をさすり、言葉を待ってくれた。
「矢楚、ごめんなさい、そうじゃないの、矢楚のせいじゃなくて…。
ただ私が、もう、矢楚の傍にいることが、辛くなっただけ」
広香は、矢楚を見上げた。世界で、ただ一人の、愛する人を。
「一目惚れだったの。六年生の時、体育館で初めて矢楚をみたとき。
矢楚が、金色に光って見えた。
それから、ずっと。
矢楚が、私の一番星。
でもね。矢楚と付き合うようになったら。
私、いつもどこか不安で苦しくなった。
自分が、ちっぽけで、取るに足りない人間に思えた」
矢楚は、即座に否定した。
「広香、それは違う!」


