木綿子は、そんな二人に聞いた。
「日本の選手でいうと、誰なの?そのファンタジスタって」
遠藤は、一転して厳しい顔で答えた。
「ファンタジスタって言葉自体がイタリア語ということもあるけど。
それを抜きにしても、矢楚が目指すファンタジスタにあたる選手は、日本にはいないよ。
イタリアですら、ファンタジスタと呼ばれた選手が、監督から不遇な扱いを受けたりしてて 。
ファンタジスタはね、チームの戦術に縛られない自由な発想で動く面があるんだ。
今のサッカーの流れ、
監督の戦術が重視されるサッカーでは、ファンタジスタは育ちにくいし、求められない。
もちろん、日本のサッカーでもね」
広香は、思わず声を出した。
「それって……矢楚がやりたいサッカーは、日本では無理って、いう、こと?」
遠藤はうなずいた。


