広香と木綿子に付いて知也も前にやってきたが、サッカー部が野次る。
「おい、ひょろなが。お前が前だと後ろが見えないだろ!」
「そうだぞ、ひょろバス!」
ひょろながのバスケ部、を略したらしい。
「誰がひょろバスだよっ」
「ひょろ也!」
意を得たとばかりにサッカー部は爆笑している。
広香は、さすがに男子のふざけが過ぎて気が散るな、と困惑した。
初めて観る矢楚の試合を、目に焼き付けたいのに。
呆れた木綿子が、騒ぐ男子を注意する。
「も~、ガキか!恥ずかしい。知也、後ろに行きな」
あいよ、と低く返事して知也は後ろへ行った。


