サッカー部の一人が、広香を見て悪戯を思いついたような顔で言った。
「おぉ、月島。
ピンクが似合うな、可愛いって、 遠藤が!」
そう言った男子の首を、すぐさま広香のクラスの遠藤が、腕を回して絞め上げた。
相当、焦っている。
サッカー部の数人が小さい奇声をあげて、そんな遠藤をからかった。
広香は少し困って木綿子を見た。
広香には矢楚がいることを知るのは、木綿子と知也だけなのだ。
「お、遠藤おまえ、広香が好きなの?
残念だな、広香はだめだよ、もう売れてる」
「知也!」
木綿子がたしなめるように名前を呼んだが、知也は聞こえないふりだ。


